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DV法ってどんな法律…?

DV法(あるいはDV防止法)と呼ばれる法律名は略称であり、その正式名称は配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律です。

※ 法律専門家でない方は特に気にすることもありませんが、平成26年の改正により正式名称が若干、変わっています。

暴力イメージDV法のDVとは、ドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力)の頭文字をとったもので、その名の通り、家庭内における暴力の防止と被害者(配偶者)の保護・支援を目的に平成13年4月6日に成立しました。

法律の施行から10年以上経ったものの、具体的な内容について把握されていない方も多いかと思いますが、これを機会にDV法の基礎知識を身に付けておきましょう。

DV法は平成13年10月13日に施行されましたが、その後、何度か改正が繰り返されています。
DV法
成立:H13.4.6
施行:H13.10.13
改正
DV法
公布:H16.6.2
施行:H16.12.2
改正
DV法
公布:H19.7.1
施行:H20.1.11
改正
DV法
公布:H25.7.3
施行:H26.1.3
DV法は、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護することを目的として作られた法律ですが、この法律を一言で表すと、ズバリ、女性を守るための法律であると言っても過言ではありません。

もちろん、女性に限定するものではないため、夫が妻から暴力を受けた際にもDV法は適用されますが、現実問題として、婚姻生活中に配偶者から暴力を受ける側は圧倒的に妻や彼女の方であるため、特に女性に対する暴力に十分配慮した内容となっているようです。

ちなみに、平成20年に施行された2度目の改正DV法では、保護命令制度がさらに拡充されており、身体に対する暴力だけでなく、生命等に対する脅迫を受けた被害者も保護命令の申し立てができるほか、被害者に対する電話・電子メール等の禁止や被害者の親族等への接近禁止命令が制定され、平成26年に施行された改正DV法では、生活の本拠を共にする交際相手からの暴力及びその被害者についても、配偶者からの暴力及びその被害者に準じて、法の適用対象とされることとなりました。

また、この法律は国籍や在留資格を問わないため、日本国内にいるすべての外国人にも適用されることになります。
調停等を申立てた夫婦別にみる動機
1位 性格の不一致 61.3% 1位 性格の不一致 43.1%
2位 異性関係 19.3% 2位 暴力 29.6%
3位 家族・親族との不和 17.6% 3位 異性関係 27.3%
4位 精神的虐待 25.9%
10位 暴力 5.8% 5位 生活費を渡さない 24.6%
※ 全国家庭裁判所 離婚調停等関係事件【平成15年】より
配偶者からの暴力とは…
DV法によって保護される配偶者とは、今現在、婚姻関係中にある既婚者だけとは限りません。

正式に離婚をした元配偶者から暴力を受けた者、あるいは、婚姻届を出していないため法律上の婚姻関係にはないが、事実上、婚姻関係と同様の関係にある男女であれば、彼(彼女)らも保護の対象となります。

また、具体的な暴力の内容については、改正DV法により対象範囲が広がったため、殴る・蹴るといった身体に対する暴力をもちろんのこと、「これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動」と条文にあるように、精神的な暴力なども含まれます。
暴力と呼べるような主な具体例
身体的暴力 ・殴る
・蹴る
・物を投げつける
・刃物を突きつける
・首を絞める
・髪の毛を引っ張り、引きずり回す
精神的暴力 ・何でも従うよう強要する
・外出を禁止する
・無視し続ける
・人前で暴言、侮辱する
・大事にしていたものを捨てる、壊す
・罵詈雑言を浴びせる
性的暴力 ・性行為を強要する
・見たくもないポルノビデオや雑誌を見せられる
・暴力的な性行為を強要する
・避妊に協力してくれない
・中絶を強要する
その他 ・生活費を渡さない
・子供の前で暴力を振るう
・故意に子供を危険な目に遭わせる



DV法で何ができるの…?

DV法が施行されたことによって、被害者はいったいどのような保護を受けることができるのか?

常に配偶者(あるいは交際相手)からの暴力に怯えている女性(あるいは男性)にとっては、それがとても切実な問題です。
裁判所からの保護命令
先に挙げた例のような暴力を配偶者から受け、生命や身体に重大な危害を与えるおそれがある場合には、被害者が裁判所(地方裁判所)に申立てることによって、裁判所が加害者に対し「保護命令」を出します。

※ 被害に遭っている者は警察や配偶者暴力相談支援センターに相談・援助・保護を求めることもできますが、裁判所に申立てする保護命令については、身体的暴力や生命・身体に対する脅迫を受を受けた場合に限られます。

この保護命令には2種類あるので、それぞれの特徴を抑えておきましょう。

もし、加害者が保護命令に違反した場合には、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金に処されることになります。

なお、補足として一言付け加えておくと、保護命令には禁止期間が設けられていますが、DV法の改正により、再度、申立てることが可能となりました。
保護命令 接近禁止命令 別居している場合に、加害者が被害者の住居や勤務先といった身辺へのつきまとい行為を禁止する! 禁止期間
6ヶ月間
退去命令 同居している場合、加害者に住居からの退去を命じる! 禁止期間
2ヶ月間



保護命令の申立て方法について

裁判所に保護命令を認めてもらうためには、DV法に規定されている要件を満たす必要があります。
イ.配偶者から、身体的暴力、または生命等に対する脅迫を受けたとき…

ロ.配偶者(元配偶者も含む)による、さらなる身体的暴力が予想され、生命・身体に重大な危害を受ける恐れが大きいとき…

※ なお、子供への接近禁止命令を求める場合には、加害者(配偶者)が、子を連れ戻すと疑うに足りる言動を行っているといったような事情が併せて必要になってきます。
次に保護命令の申立て先ですが、下記に示す地方裁判所であれば、いずれの裁判所でも構いません。

ただし、裁判所に保護命令を申立てる際は、必ず書面で行います。

申立ての際には、配偶者から暴力を受けたことがわかる裏付け資料等も添付しますので、医師の診断書や怪我を受けた部位の写真など、できるだけ用意しておくようにしてください。
申立先となる裁判所 申立人の住所(または居所)を管轄する地方裁判所
相手方住所の所在地を管轄する地方裁判所
暴力行為が行われた地を管轄する地方裁判所



DV法と離婚との関係

妻側が離婚したい理由としてあげる〝夫の暴力〟は、常に離婚原因の上位にランクインしています。

確かに、配偶者に対する暴力は肯定されるべきものではありませんが、ケンカの成行き上、ついカッとなり思わず妻に手を上げてしまった…といったこと理由に、直ちに離婚ができるわけではありません。

もちろん、日本においては協議離婚が認められているので、夫婦の話し合いによって離婚することに合意が得られれば離婚は成立しますが、夫が離婚することに強く反対した場合は、そう簡単にはいきません。

夫の暴力は、民法の離婚事由のひとつである〝婚姻を継続し難い重大な事由〟に該当しますが、必ずしも「暴力 = 離婚」に結びつくわけではなく、問題は、その暴力の程度にあると言うことができるでしょう。

DVの悩みイメージまた、夫が離婚することに激しく抵抗した場合、調停前置主義をとる我が国においては、調停離婚 → 審判離婚 → 裁判離婚と、話し合いの場を順に踏んでいくため、離婚をするまでに、どうしても時間が掛かってしまいます。

その間、家庭内における夫の暴力が悪化したり、あるいは離婚話を切り出されたことで逆上した夫が嫌がらせ行為をしてくることも十分予想されます。

そんな時にも、DV法による保護を受けることができるので、身の危険等を感じている方は、裁判所に保護命令を申立てるなどして、あなた自身や子供の身の危険を守るための手段を取ってください。