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離婚と慰謝料の相場
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慰謝料とは…

まずは、慰謝料とは何かという基本的な部分についての最低限の法知識を身に付けてください。

民法では、慰謝料について、このように書かれています。

若干、語弊のある言い方かもしれませんが、分かりやすく説明すると、要は精神的・肉体的苦痛によって他人を傷つけた者は、その代償として、お金を払って埋め合わせをしなさいというものです。

つまり、言い方は悪いですが、「慰謝料 = 金銭」ということです。
他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定(← 不法行為のこと)により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

【民法第710条 財産以外の損害の賠償】
もちろん、お金がすべての問題を解決してくれるというものではありませんが、離婚を突きつけられたことによる精神的苦痛はもちろん、離婚後に待ち受けている経済的自立等の様々な面を考慮すると、今後、生活をする上で、お金が離婚による苦痛・困惑を和らげるものと位置づけられるのも、また事実です。

離婚によって発生する慰謝料とは、生命や身体、名誉や貞操などを侵害した不法行為を働いた夫(あるいは、妻・不倫相手など)が、配偶者に対して支払う金銭ということを、まずは理解しておきましょう。




慰謝料にも相場がある・・・!?

慰謝料って、どのくらい取れるの・・・?

妻に浮気がバレたけど、慰謝料の相場って、いったいいくらくらい・・・?

といったように、離婚間近の夫婦にとって慰謝料は、とても重要で切実な問題です。

先にも述べたように、慰謝料とは不法行為を働いた者が、相手(配偶者)方に支払う金銭のことを意味しますが、不法行為というものが、これまた曖昧で抽象的な表現を用いているため、浮気が原因なら100万円、暴力が原因なら200万円・・・といったように、個々の具体的不法行為の内容により、慰謝料の額が法律で明確に決められているわけではありません。

特に離婚原因として最も多い「性格の不一致」ということにでもなれば、様々な要因が複雑に絡み合ってくるため、慰謝料の算定もケース・バイ・ケースと言わざるをえません。

すると、離婚による慰謝料は、いったいどのようにして決められているのか?という疑問が湧いてくるかと思いますが、明確な算定基準はないものの、過去の司法統計年報や、離婚に至るまでの原因や内容などの諸事情を考慮することで、ある程度、慰謝料の相場というものを算定することが出来ます。

※ 様々な問題が複雑に絡み合った結果、離婚に至ることが一般的なので、下記資料は、あくまで目安として受け止めておきましょう。

なお、離婚によって生じる慰謝料と財産分与は、本来、別物なので、夫婦双方に不法行為があった場合は、原則として、相手方に慰謝料を請求することはできませんが、財産分与は請求することが出来ます。
参考:H16年版司法統計年報 調停離婚・24条審判と財産分与の支払額別離婚期間一覧表
離婚期間 総数 うち財産分与の取り決め有り
総数 100万円
以下
200万円
以下
400万円
以下
600万円
以下
1,000万円
以下
2,000万円
以下
2,000万円
算定不能
総額が決まらず
総数(件数) 25,125 7,650 1,974 1,108 1,341 662 596 504 255 1,106
6ヵ月未満 224 34 20 11 2 --- --- --- --- 1
6ヵ月以上 687 106 74 15 12 4 1 --- 1 2
1年以上 1,883 365 213 79 41 5 8 3 1 15
2年以上 1,922 414 205 84 70 19 7 4 1 24
3年以上 1,940 453 188 86 93 23 17 4 6 36
4年以上 1,602 421 177 90 68 21 18 7 3 37
5年以上 1,544 396 118 78 88 20 24 11 4 52
6年以上 1,287 363 103 60 72 36 23 16 3 50
7年以上 1,306 387 111 78 60 41 22 10 5 60
8年以上 1,199 358 100 53 65 38 25 22 2 53
9年以上 1,078 314 70 47 70 23 30 20 5 49
10年以上 1,021 318 80 44 68 28 29 16 3 50
11年以上 842 267 46 38 53 26 28 21 4 52
12年以上 809 249 58 42 36 23 29 14 7 40
13年以上 685 202 41 23 39 17 27 10 6 39
14年以上 566 199 51 27 35 15 20 10 4 37
15年以上 670 210 35 36 39 17 19 14 5 45
16年以上 577 177 32 24 25 22 19 21 2 32
17年以上 51 179 34 11 33 20 26 11 12 32
18年以上 488 170 29 19 35 21 21 14 6 25
19年以上 432 170 15 20 34 20 14 20 10 37
20年以上 1,646 724 87 77 131 86 97 80 33 133
25年以上 2,201 1,172 87 66 172 138 192 180 132 206
不詳 1 --- --- --- --- --- --- --- --- ---

慰謝料算定基準 【単位:万円】 ※参考文献:「慰謝料算定の実務」千葉県弁護士会編より抜粋
婚姻期間 1年未満 1~3年 3~10年 10~20年 20年以上
責任経度 100 200 300 400 500
責任中度 200 300 500 600 800
責任重度 300 500 700 900 1,000



慰謝料の算定基準となる主な事情とは…

慰謝料の相場を把握しておくのもそれなりに必要なことですが、夫婦間で争いになった場合、結局のところ、最終的な判断は裁判官の自由裁量にゆだねられてしまいます。

また、離婚に伴う慰謝料は、財産分与に含めた形で支払われるのが一般的です。

そこで、ケース・バイ・ケースではありますが、算定の際、重要視される主な事情をいくつかまとめておくので、参考にしてみてください。
慰謝料算定の際に重視される主な事情
チェック 離婚に至った原因や動機、不法行為の度合い(浮気が日常的に行われていた…など)
チェック 精神的な苦痛の程度
チェック 資産状況
チェック 生活能力
チェック 年齢、職業、収入、社会的地位
チェック 結婚、別居期間
ちなみに、よくテレビなどで芸能人のだれだれが、億単位の慰謝料を支払ったなどという報道がなされ、「それなら私も…!」と思われる方がいるかもしれませんが、彼らは特殊なケースであると理解しておくべきです。

各メディアの報道の仕方にも問題があるかと思いますが、報道されている内容は、慰謝料プラス財産分与を含んだ総額での金額である場合が少なくありません。

財産分与とは、夫婦2人が今まで築き上げてきた財産を清算することを意味しており、慰謝料とは別個の考えに基づいているものであって、不法行為の有無に関係なく分配するのが基本です。

最近では、精神的苦痛に対しての金銭的評価が上向き傾向にあるようですが、それでも一般サラリーマン家庭における離婚による慰謝料の相場は、100~300万、多くても400万前後であると考えら、億単位の慰謝料が支払われることはまずありません。