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熟年離婚とは…

熟年離婚とは、夫婦の年齢によって分類されるものではなく、「長年連れ添い、結婚生活(人により解釈が異なりますが、一般的には20年以上のようです)を続けてきた夫婦がする離婚」のことを意味します。

そのため、50歳で結婚し、60歳で離婚をした夫婦の場合、年齢的には熟年期と考えられますが、熟年離婚とは言わないということになります。

また、たとえ結婚期間が20年以上であっても、単に籍が入っているだけで、別居期間が長い夫婦がする離婚も熟年離婚とは呼びません。

※補足:人によっては結婚期間を基準とするのではなく、子供の養育を終えた後にする離婚のことを〝熟年離婚〟と呼ぶ考え方もあるようです。

熟年離婚には、このような意味があるようですが、注目すべき点は、30年以上前に比べると、長年連れ添った夫婦が離婚するケースが大幅に増加したということです。

20年以上連れ添った夫婦がする離婚件数は、2007年時点において、年間4万件を超えており、全離婚件数の約15%程を占めています。
同居期間20年以上の夫婦の離婚件数
6810件
(1975年)
矢印 21,718件
(1990年)
矢印 40,349件
(2007年)
参考:厚生労働省 人口動態統計
なぜ、熟年離婚をする夫婦が増えているのか?

熟年離婚に踏み切った、その原因や理由について少し分析してみましょう。




夫は知らない・・・熟年離婚の原因と理由

少し古い資料【H13年度国民生活白書より】ですが、下記に示す資料によると、結婚期間別にみた離婚状況の推移しかみてとれませんが、結婚期間が20年を超える夫婦においては、「妻の方から離婚話を持ち出された・・・」とされるケースが圧倒的に多いようです。

つまり、夫の方には離婚するほどの不満はないが、妻には長年の夫婦生活に不満があった・・・という捉え方ができそうです。

H13年度国民生活白書さらに、この熟年離婚にみられる特徴は、もうひとつあります。

それは、日本がちょうど高度経済成長期にあった中で結婚した男女、つまり〝団塊の世代〟と呼ばれる時代の人たちです。

団塊の世代と呼ばれる男性と結婚された夫婦の間には、「夫は外で働き、妻は家で主婦をこなす」という役割分担がはっきりとしていた面が強く働いていたと共に、かつて日本文化に根付いていた家長という考え方が、夫に絶対的な権力を与えていたため、「妻は夫に従うものである!」といった風潮がありました。

つまり、妻である女性は我慢を強いられていたと言い換えることも出来るわけです。

この世代に生きた女性は、ある意味、自立心や自由への志向も強い・・・

今となっては、女性の社会進出は特に珍しくもなく、女性も頑張ればひとりで働きながら自立できるという社会環境が整っているので、子供の養育も終わり、定年を迎える夫を機に、再び自立を目指して生きたいと願う女性が増えてきたことを意味します。

熟年離婚の原因や理由には、もちろん、性格の不一致や暴力、浮気…といった夫への不満もあると思われますが、こうした女性の価値観の変化が、大きく影響していると考えられます。




年金制度改正が熟年離婚増加の原因 !?

熟年離婚の原因や理由を考える上で、少なからず影響を及ぼした法改正があります。

それが〝年金制度〟です。

具体的には、2007年4月以降に離婚する夫婦は婚姻期間中に夫が払った保険料に相当する厚生年金を夫婦で分割できるという制度へと変わりました。

※ 年金制度改正は2段階のステップを踏み、2008年4月以降、妻が専業主婦であった場合には、その期間分に相当する厚生年金の2分の1が自動的に妻の名義になります。ちなみに、基礎年金については分割の対象になりません。

今まで専業主婦であった者は、離婚後、老齢基礎年金しか受取ることが出来なかったので、この年金制度改革は見過ごせません。

熟年離婚イメージもっとも、この年金分割の割合は当事者間で話し合うのが基本であり、結論が出なければ裁判所が決めることになりますが、離婚後の経済的負担を多少なりとも和らげる制度であると言えるでしょう。

そのため、当時はこの年金制度改正まで待ち、様子を見た上で離婚を突きつける妻が、今後はさらに増えるのではないかと言われていました。

※補足:実際は、この年金制度改正による離婚率の急激な上昇は見られませんでした。

ただし、この年金制度改正が、必ずしも熟年離婚者(特に専業主婦)に有利に働くとは限りません。

というのも、たとえば2008年4月よりスタートした改正年金制度は、同年4月以降に納付した保険料が対象となるため、現在の熟年者専業主婦には、あまり影響のない制度であるとも言えるからです。

熟年離婚の原因や理由は様々ですが、夫の定年退職を機に離婚を考えている妻が多いという光景が見られる以上、離婚をしたくない世の男性は、常日頃から、妻に対する思いやりや気遣い、自分にとっての小間使いではなく、対等なパートナーであるという気持ちを忘れずに接する必要があるのかもしれません。