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矢印養育費の相場について【年収500万円のケース】

矢印養育費の相場について【年収350万円のケース】

養育費の相場について

離婚の悩み相談
離婚後は母親である私が子供の面倒をみることに夫も納得していますが、養育費の金額で話しがまとまりません。養育費に相場などはあるのでしょうか?
養育費とは、子(経済的に独立しておらず、自ら生活費を得ていない段階の子)の生活維持や教育にかかる費用として位置づけられている金銭のことですが、日本では養育費の算定方法や基準について、法律でこうしなさい!ああしなさい!といった細かいルールは存在しません。

養育費の悩みイメージ※補足:平成23年の民法改正(施行は平成24年4月1日)により、離婚の際に夫婦が取り決めなければならない事項【民法 第766条】のひとつとして養育費の分担が明文化されました(ただし、金額など具体的な内容に付いては触れていません)。

そのため、基本的に養育費の金額については、父母の協議により、自由に決めることができますが、双方が主張する金額に大きな隔たりがあると、当事者のみの話し合いではまとまらないこともあります。

そこで、養育費の金額について揉めに揉め、まったく決着が付かない場合には、家庭裁判所の調停などを利用することになるかと思いますが、客観性・合理性が求められる養育費の支払額については、実務においても難しく、その算定方法に疑問視する声も上がっていました。
養育費の算定方法(例)
実費方式 夫婦双方の実際の年収を基に養育費の分担額を決める方法。しかし、客観性・妥当性に欠ける算定方法であるとして、現在は利用されていない…
生活保護基準方式 生活保護法が定める保護基準に基づいて生活費を算定する方法。ただし、そのまま適用すると支払額が低額になる傾向も…
労働科学研究所方式 昭和27年に労働科学研究所が行った独自の実態調査に基づき、最低生活費を計算した上で養育費を算定する方法。調査自体が古く、時代に合わない算定方法であると指摘されることも多い…
そんな中、平成15年、東京と大阪の裁判官らが共同で研究を行った結果、養育費の新たな算定方式として「養育費算定表」を作成しました。

この「算定表」は、子供の人数(1人~3人を想定)と年齢(0歳~14歳、15歳~19歳の2区分)ごとにグラフ【表1~9に分類】にまとめられており、父母の職業や年収によって、適切な支払額とされる養育費の額が一目で分かるようになっているのが特徴で、裁判所の公式サイトから、誰でも自由にダウンロードして利用することができます。
矢印 養育費算定表(PDFファイル)※ 裁判所HPより
なお、この新たな算定方式は、厚生労働省が作成し、各自治体や福祉事務所に配布した「養育費の手引き」にも掲載されているので、公的指針とする旨を公表したこの算定表は、実務においても広く活用されているようです。

したがって、夫婦間の話し合いで養育費の金額について話が一向にまとまらない場合は、この「算定表」を基に計算した金額がひとつの基準(相場)になると思っていただいて構いませんが、「算定表」は、あくまで目安としての資料なので、養育費はこの資料を基に算出した金額でなければならないというわけではありません(つまり、夫婦の話し合いによって双方が納得しているなら、算定表は無視して構わない)。

ちなみに、東京と大阪の裁判官が作成した「養育費算定表」ですが、私に使いこなせるか心配だという方もいるかと思われますが、使い方はとても簡単で、下記に示す3つのデータさえ揃えば、誰でも簡単に養育費の相場を計算することができます。
チェック養育費を支払う者(義務者)の年収と職業

チェック養育費を受け取る者(権利者)の年収と職業

チェック子供の人数と年齢
では、参考までに、養育費算定表をベースに計算すると、いったいどのくらいの額になるのか、いくつかケースを挙げ、養育費の金額(相場)を算出しておくので、表の使い方がよく分からないという方は少し参考にしてみてください。




養育費の相場:年収500万円のケース

【事例1】
父親:年収500万円(サラリーマン)
母親:収入なし(専業主婦)
子供:2人(17歳の息子 / 15歳の娘)
17歳と15歳の2人のお子さんがいる【事例1】では【表5】の算定表を使用することになります。
養育費算定表:年収500万のケース1
離婚後、母親が子を引き取り面倒を見る場合、父親(年収500万:サラリーマン)が義務者となるため、まずは縦軸を確認し、給与欄にある「500」の数値を基準とします。

次に、権利者(母親)の年収を示す横軸を確認しますが、母親は無収入の専業主婦ということなので「0」を基準とします。

縦軸と横軸の基準値を確認したら、それぞれの基準値から線を引っ張り、2本線が交差する点を探します。

後は交差点の枠内の金額をチェックするだけです。

【事例1】のケースでは「10~12万円」の枠内に収まっているため、この金額が標準的な養育費の額(相場)ということになります。




【事例2】
父親:年収500万円(自営業)
母親:年収800万円(公務員)
子供:3人(18歳の息子 / 15歳の娘 / 10歳の娘)
【事例2】のケースでは、3人の子供がいるため、それぞれの子の年齢を確認し、該当する表を用意します(今回のケースでは【表8】)。
養育費算定表:年収500万円のケース2
義務者となる父親は年収500万円の自営業者ということなので、縦軸の自営の欄から「500」を探したいところですが、「500」という数値はありません。

ピッタリ該当する数値がない場合は、最も近い数値を基準とするため「493」を基準とします(「510」の数値よりも近い)。

次に、権利者である母親の年収を示す横軸の給与の欄をチェックし「800」を基準としたら、後は、それぞれの基準値から線を引っ張り、2本線が交差する点を探します。

後は【事例1】と同じように、交差点の枠内の金額をチェックするだけです。

【事例2】のケースでは「6~8万円」の枠内に収まっているため、この金額が標準的な養育費の額(相場)ということになります。

ちなみに、「養育費算定表」では、複数の子がいた場合の子1人当たりの額の求め方についても基準を示しているため、参考までに【事例2】のケースに当てはめて計算してみます。
養育費を8万円とした場合の子1人の金額

18歳:8万円×90÷(55+90+90)=3万円
15歳:8万円×90÷(55+90+90)=3万円
10歳:8万円×55÷(55+90+90)=2万円
子1人当たりの額の求め方

子が複数の場合、それぞれの子ごとに養育費額を求めることができます。それは、算定表上の養育費額を、子の指数(親を100とした場合の子に充てられるべき生活費の割合で、統計数値等から標準化したものです。子の指数は0~14歳の場合には55、15~19歳の場合には90となっております。)で按分することで求められます。例えば、子が2人おり、1人の子が10歳、もう1人の子が15歳の場合において、養育費の全額が5万円の場合には、10歳の子について2万円(5万円×55÷(55+90))、15歳の子について3万円(5万円×90÷(55+90))となります。

【養育費・婚姻費用算定表より一部抜粋】

養育費の相場:年収350万円のケース

【事例3】
父親:年収350万円(サラリーマン)
母親:年収250万円(OL)
子供:1人(6歳の息子)
9種類(表1~表9)ある算定表の中から、どの表を使うかは子供の人数と年齢で決まりますが、【事例3】に該当するのは【表1】です。
養育費算定表:年収350万円のケース1
義務者となる父親は年収350万円のサラリーマンなので、縦軸の給与の欄から「350」の数値を探して基準とします。

次に、同じように権利者である母親の年収を示す横軸の給与の欄から「250」の数値を探して基準とします。

後は、それぞれの基準値から線を引っ張り、2本線が交差する点を探し、交差点の枠内の金額をチェックするだけです。

【事例3】のケースでは「2~4万円」の枠内に収まっているため、この金額が標準的な養育費の額(相場)となります。




【事例4】
父親:年収350万円(サラリーマン)
母親:年収600万円(公務員)
子供:2人(18歳の娘 / 12歳の息子)
18歳と12歳の2人の子供がいる【事例4】のケースでは、【表4】の算定表を使用します。
養育費算定表:年収350万円のケース2
義務者となるサラリーマンの父親は年収350万円なので、縦軸の給与の欄から「350」の数値を探して基準とします。

一方、離婚後に子供を引き取り面倒を見る公務員の母親は権利者となるため、権利者の年収を示す横軸の給与の欄から「600」の数値を探して基準とします。

後は、それぞれの基準値から線を引っ張り、2本線が交差する点を探したら、交差点の枠内の金額をチェックするだけです。

【事例4】のケースでは「2~4万円」の枠内に収まっているため、この金額が標準的な養育費の額(相場)となります。