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親権と養育費の悩み相談4
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養育費の支払い義務

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子供を大学に行かせてやりたいのですが、私一人の収入ではとても工面できません。元夫は「養育費の支払い義務は20歳で終わる」と言っていますが本当でしょうか?
子供の養育費は、いったいいつまで支払い続けるべきかといった養育費の支払い期間の問題について、法律は何ら規定をしていません。

つまり、養育費については金額や支払い方法だけでなく、その支払い期間についても、当事者の話し合いによって決めるのが基本となります。

問題は当事者の話し合いで解決がみられない場合です。

そもそも、養育費とは、父母の子に対する扶養義務の一環として、監護・教育する義務を負った両親が、親と同レベルの生活を保障する保持義務として支払われる金銭のことです。

一般的に、養育費の対象とされる子とは未成熟子のことであり、未成年者とは異なる概念をもっています。

未成熟子とは、身体的・精神的に未熟であって、経済的に自立し、社会人として自ら稼ぎ生活できないため、扶養を受ける必要がある子のことです。

よって、あなたの元夫が言うように、必ずしも20歳が養育費の支払い義務の終期であるとは限りません。

家庭裁判所の調停においても、養育費の支払い期間については、父母の経済的資力や社会的地位、あるいは生活環境等を総合的に考慮して決めるため、高校卒業時が妥当であると判断することもあれば、成年に達するまでは支払い続けるべきであると判断することもあり、ケース・バイ・ケースというのが実情のようです。

また、今回のケースのように、大学進学にかかわる養育費についても判断が分かれるところです。

つまり、4年生大学の場合、子は20歳を超えてしまいますが、20歳を超えた成人であっても養育費の支払い義務はあるのかどうかという問題です。

この点についは、現在、大学に進学する子の割合が、一昔前に比べ増えていることから、進学が特別な場合に当たらないこと、また、扶養義務に当たるとされる子は〝未成年者〟ではなく、あくまで〝未成熟子〟であることから、親の資力や学歴、社会的地位、生活環境等から大学進学が妥当であると判断される場合には、支払い義務があると認めている判例もあります。
医師と薬剤師を両親にもつ子が4年制大学に進学している場合、家庭環境や経済的・教育的水準に照らすと、大学卒業時までが未成熟子として考えられるとして、養育費を負担することが相当であるとして認めたケース

【平成2.8.7 大阪高裁】
いずれにせよ、夫が言う「20歳」が必ずしも扶養義務の終期というわけではありませんので、1度、家庭裁判所の調停を利用してみてはいかがでしょうか。




親権者の変更

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親権を妻に譲りましたが、離婚後は、子供の躾と称して、たびたび虐待するようなこともあるようです。子供の教育環境上、私が引き取り育てたいと思っていますが、1度決めた親権者を変更するようなことは出来るのでしょうか?
未成年の子を持つ夫婦は、離婚をする際、子の親権者を、どちらか一方に決めなければ離婚は認められませんが、双方合意の下、1度は取り決めた親権者であっても、親権の変更が子の利益・福祉のためになると認められる場合には、他の一方に変更することができると民法には規定されています。
子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。

【民法 第819条6号】
よって、離婚の際、あなたが元妻に親権を譲ったとしても、その後、育児の放棄や虐待、あるいはその他やむを得ない事情が発生し、子の生活環境が悪化したとすれば、父親であるあなたが、家庭裁判所に親権者変更の申立てすることによって親権が得られることもあります。

ただし、親権者変更の申立てをしたとしても、必ずしも親権の変更が認められるとは限りません。

親権者変更のポイント親権とは、あくまで子の利益や福祉のために存在するものであることから、申立てを受けた家庭裁判所の調査官は、現在の親権者の状況を調査し、子どもの養育や監護上、親権者として不適切であると判断した場合に、初めて変更を認めています。

親権者の変更が認められる具体的なケースとしては、下記のような事情が考えられますが、家庭裁判所は一切の事情を総合的に考慮し判断します。

また、調停の場で元妻が強く抵抗し不調に終わったとしても、子に対する虐待の事実があるとすれば、審判によって親権者の変更が認められるかもしれません。
チェック親権者の行方不明
チェック子に対する暴力、虐待
チェック食事を与えない、躾をしない等の育児放棄
チェック生活環境の著しい悪化
チェック長期入院(長期海外出張)等により、子の養育ができない …他
なお、家庭裁判所で親権者の変更が認められた場合には、調停が成立(あるいは審判の確定)した日から10日以内に調停調書(または審判書)の謄本を添え、市区町村役場の戸籍係に提出し、子の親権者を書き換えなければならないので、忘れずに手続きを行ってください。