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養育費の強制執行

離婚の悩み相談
半年ほど前から、何の理由もなく養育費の支払いをストップした元夫に対して強制執行をしようと思っていますが、具体的に、どのような効果がありますか?また、養育費の支払いに対して強制執行を行う際、注意すべき点などがあれば教えて下さい。
強制執行とは、養育費や慰謝料等の支払い義務がある債務者の財産を差押えることで、強制的に債権を回収してしまおうという制度です。

ただし、債務者の財産に対する管理処分権を剥奪するという強い強制力を持った強制執行を認めてもらうためには、法律(民事執行法等)に則った手続きが必要になってきます。

まず、養育費の強制執行に必要なものは〝債務名義〟です。

債務名義とは、強制執行によって債務者の金銭を差し押さえる権利があるということを証明する書類のことであると理解してください。

債務名義に当たる書類には「調停調書」や強制執行認諾文言付き(強制執行されても構わないといった一文が記載されている)の「公正証書」などが典型的ですが、これらの書類に基づいて強制執行を行うことができます。

※ 口約束や協議離婚の際、作成した公正証書以外の書面(離婚協議書)では強制執行はできません。

また、相手方(養育費の支払義務者)の現住所が分からないと強制執行は行えませんので、必ず元夫の住所を把握しておいてください。

次に、養育費の強制執行を行う際の注意点ですが、元夫の資産状況を把握していなければ、執行対象となるのは〝相手の給料〟ということになるかと思われます。

また、ある程度、長期的な支払いが必要とされる養育費については、毎月定期的に振り込まれるような〝給料〟の差押が理想的であるとも言えます。

強制執行イメージがしかし、給料が差押えの対象となると、会社に差押の事実が判明してしまうため、相手もバツが悪く、会社を辞めてしまうなんてことがあるかもしれません。

元夫が職を失ってしまえば、給料の差押は事実上、不可能となるので、強制執行を行う際は、慎重に検討する必要がありそうです。

また、平成16年4月1日に施行された改正民事執行法により、従来に比べると、養育費の支払い確保がしやすくなっているので、この点も確認しておくようにしましょう。
民事執行法の改正内容
差押金額の引上げ
養育費等の扶養義務に係る金銭債権に基づく強制執行においては、給料等に対する差押の範囲が、従来の4分の1から2分の1へ拡大【民事執行法152条3項】
将来債権に対する強制執行
滞納分だけではなく、将来における養育費についても、相手方の給料等に対して強制執行ができる【民事執行法151条2 3項】