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慰謝料の悩み相談2
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性格の不一致と離婚

離婚の悩み相談
夫と離婚することになりましたが、性格の不一致が原因による離婚でも慰謝料は請求できますか。
夫側に婚姻関係を破綻させるような原因、つまり、有責性がなければ慰謝料は請求できません。

性格の不一致とは、互いの生活観・人生観・価値観の違いから生じるものであって、そこに精神的な損害の賠償としての性質を持つ慰謝料を支払わせるほどの有責行為は発生しないのが通常だからです。

また、性格の不一致を理由とする離婚の場合、大抵、夫婦双方に何かしらの問題があることから、婚姻関係を破綻させた責任がお互いにあるとして、相殺という形になることもありえます。

参考までに、性格の不一致と慰謝料に関連する裁判として、次のような判例があるので載せておきます。
夫の特異な性格(ものの考え方、感じ方、日常生活における行動が極めて自己中心的)が、妻に対する思いやりや配慮に欠けているとして離婚原因にあたるとしながらも、夫が妻を虐待したり、婚姻関係を破壊しようとしたわけではないとして、妻からの不法行為に基づく慰謝料請求を棄却したケース

【昭和57.11.25 東京高裁】
よって、「互いに性格が合わなかったから…」というだけの理由では、夫婦どちらにも慰謝料請求権はないと言えるでしょう。




慰謝料の相場

離婚の悩み相談
離婚に伴う慰謝料の金額に相場というものはあるのでしょうか?もしあるとすれば、慰謝料の相場や支払い基準について教えてください。
離婚に伴う慰謝料に明確な基準や相場はありません。

心の痛みという精神的なショックを和らげるために支払われる金銭としての意味合いをもつ慰謝料は、その程度や離婚に至るまでの過程が多岐に渡るため、客観的な算定基準を設けることは極めて困難であるというのが実情のようです。

ただし、学説や一般論として、離婚に伴う慰謝料算定には、下記のようなものを重視し考慮すべきであるとしています。
イ.被害者の精神的苦痛の程度
ロ.婚姻期間
ハ.生活状態や財産状況
ニ.年齢・職業・社会的地位
ホ.不法行為を働いた者の故意・過失・動機や背信性の程度
へ.未成熟子の有無
慰謝料の支払い額について争いがある場合、裁判所の自由裁量に委ねられることになりますが、裁判所は被害者の事情を斟酌するとともに、加害者の事情についても考慮した上で、慰謝料の金額を決定しています。

なお、慰謝料の請求額に上限はありませんが、『司法統計年報』などを参考にするのもよいでしょう。

ちなみに、過去の判例の中には、夫の酒癖の悪さや暴力を原因とする妻からの離婚請求は認めたものの、慰謝料請求までは認めなかった判決もあります。