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妻の浮気と離婚

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妻が浮気をしました。もう2度としないと反省してはいますが、私はどうしても許せません。離婚することも考えていますが可能でしょうか?
配偶者の浮気(不貞行為)は、民法が定める離婚原因のひとつとして挙げられているので、離婚訴訟の条件は満たしていると言えます。

なぜなら、たとえ一度限りの浮気であっても不貞行為に変わりはないからです。

しかし、妻が浮気をしたからといって、必ずしも離婚することが妥当であると裁判所が判断するとは限りません。

民法第770条2項には、下記のように規定されています。

つまり、不貞行為という事実があっても、裁判所には、その離婚請求を棄却する権限があるのです。
裁判所は、前項第1号から第4号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

【民法第770条2項より一部抜粋 】
そもそも民法にある不貞行為について、裁判所は配偶者以外の異性との性的関係があることが前提であると捉えているため、妻が知り合いの男性と食事をしたり、映画を見に行った程度の交友関係では、民法でいうところの不貞行為には当てはまりません。

過去の判例の中に、2ヶ月間性的関係があったケースがありますが、裁判所は期間が短く一時の気の迷いであって、不貞行為を理由に直ちに離婚ということは認め難いといった判決【昭和26.6.27 名古屋地裁】を下した例もあります。

また、不貞行為を立証する責任は、申立てた側がしなければならず(今回のケースでは妻が認めているため、浮気の有無については問題となりませんが…)、人目をはばかって行われる浮気の証拠集め(妻が見知らぬ男とホテルへ入る姿を撮影するなど)は難しいこと、そして、不貞行為では、ある程度、継続的な関係にあることも重要視されるため、一度きりの過ちを犯した妻が、その後、深く反省しているといったような場合には、裁判所から夫婦関係は努力次第で復元可能と判断するケースも少なくありません。

浮気イメージこれらの点を考慮すると、もう2度と浮気はしないと深く反省している妻の様子が見られるならば、不貞行為による離婚訴訟は難しいかもしれません。

ただし、今後、妻の浮気が原因で夫婦関の信頼関係が崩れ、次第に関係が悪化し別居状態が長く続いているといったような状況がでてきた場合には、不貞行為とは別の理由、つまり、浮気がキッカケで〝婚姻を継続し難い重大な事由〟に陥ってしまったことによる離婚請求が認められることもあるでしょう。




酒癖の悪い夫と離婚

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酒癖の悪い夫と離婚することはできますか?
司法統計年報の婚姻関係事件申立て動機別に見ると〝夫の過剰な酒飲み〟を理由に妻が申立てる件数は少なくありません。

飲酒が単に酒好き程度にとどまる場合には、人生観・生活観の相違といった点で、性格の不一致と見ることもできますが、夫が離婚に反対している場合、配偶者の酒好きを理由とした離婚は、まず認められないでしょう。

酒イメージただし、飲酒によって夫が豹変し、妻や子供にたびたび暴力を振るったり、病気や障害といった正当な理由がないにも関わらず、昼間からお酒を飲んでばかりいて、妻が何を言っても一向に働こうとしない労働意欲が欠如した夫が相手であるような場合には、民法770条1項5号にある「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するとして離婚が認められる余地はあるかもしれません。

ついでに、夫の酒好きが高じて、アルコール依存症(アルコール中毒)にかかった場合について、少し補足しておくと、アル中は民法で定める離婚原因のひとつ「強度の精神病」には属さないと解されています。

つまり、健康な状態と高度な精神病の中間にあるとされるアルコール依存症は、この「強度」な精神病には当たらないということです。

※ アルコール依存症 … 薬物依存症の一種で、飲酒などアルコール(特にエチルアルコール)の摂取(以下「飲酒」とする)によって得られる精神的、肉体的な薬理作用に強く囚われ、自らの意思で飲酒行動をコントロールできなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返す精神疾患。(ウィキペディアより抜粋)

配偶者のアルコール依存症によって家庭が崩壊し、復元の可能性がないほど破綻してしまった場合には、婚姻を継続し難い重大な事由を理由とした離婚請求を検討してみる価値はあるかもしれませんが、医師の治療のもと回復の見込みがあり、夫婦関係が修復できるような余地が残っているなら、民法770条2項に基づき、裁判所が離婚請求を棄却することも考えられます。