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財産分与の悩み相談5
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専業主婦と離婚

離婚の悩み相談
「専業主婦のお前に渡す財産は、よくて1割程度だ!」と夫に言われ、離婚に踏み切ることができません。専業主婦や共働きによって財産分与の割合は変わってくるのでしょうか?
夫婦は共同生活をしていく上で、互いに協力し合うものですが、夫が外で稼ぎ、妻が家の家事を切り盛りする(専業主婦)といったように、互いに役割を分担しながら生活を続ける夫婦も多いかと思われます。

離婚に伴う財産分与には、夫婦が婚姻期間中に形成した財産を清算するといった要素が含まれていますが、清算の際、考慮されるのが〝貢献度〟です。

専業主婦の貢献度しかし、この貢献度は、何も実際に働いてお金を稼いだ者しか考慮されないというものではありません。

つまり、専業主婦であっても、妻が炊事、洗濯、掃除や育児といった家事に従事したからこそ、夫は安心して外で働くことができ、その結果として財産が生み出されたと判断すべきものです。

よって、家事や育児をまったく行わず、毎日、夜遅くまで遊び呆けていたというのであれば話は別ですが、通常、専業主婦にも婚姻期間中に築き上げた財産に貢献度があるとしています。

さて、問題の専業主婦が得られる〝分与割合〟ですが、夫婦の貢献度がはっきりとしない場合には折半、つまり2分の1ずつ分け与えるのが望ましいとされていますが、現実には、3~4割程度で話しがまとまるケースが多いようです。

したがって、あなたの夫は「専業主婦は1割程度」と考えているようですが、よほどの事情がない限り、1割ということはありません。(もちろん、分与額に上限下限はないため、双方納得の上で決めた割合であれば問題ありませんが…)

ちなみに、夫婦共働きの場合は、収入や能力等に極端な差がなければ、互いの貢献度に差はないとして、折半するのが一般的なようです。

また、自営業の場合も共働きと同様、妻には2分の1程度の財産分与権があるとみなすのが一般的なようです。




財産分与の対象

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生命保険や退職金も財産分与の対象になりますか?
生命保険金や退職金が離婚にともなう財産分与の対象になるかどうかは、ケース・バイ・ケースです。

まず、生命保険ですが、離婚前に満期になっている保険金については、名義に関係なく財産分与の対象となりますが、依然、継続して保険料を支払い続けている場合には、不確定要素の多い生保は共同財産には当たらないとする判例【昭和61.1.29 東京高裁】があります。

※ 掛け捨てタイプの生命保険は財産分与の対象になりません。

そこで、満期がきていない保険については、離婚時における解約返戻金の見積もり額を会社に出してもらい、その額を財産分与の対象とみなし清算するケースがあります。

一方、退職金については、既に支給済み、あるいは支給決定後になされた離婚の場合には財産分与の対象となります。

問題は、当分の間、退職金が支給されない状態、つまり、支払われる見込みがあるとしての退職金を財産分与の対象に含めるべきかどうかです。

これに関しては裁判所の判断も分かれるところらしく、将来受取ることになるであろう退職金は、離婚しなければ妻も恩恵が受けられたはずと考えられる財産であることから、支給される蓋然性が強い場合には、退職金も財産分与の対象とすべきであるとの考えが浸透しつつあるようです。
離婚の時期が退職の前後によって夫婦間の財産の清算に均衡を失するべきではなく、退職前に離婚する場合にも、その時点における支給額が算定可能であるとするならば、清算の対象とすべきであると判断したケース

【平成6.9.29 大阪高裁】


5年後に支給される予定の退職金について、支給自体が将来の不確定な要因に左右されるものであって、これを直ちに算定の基礎とすることはできないとしたケース

【平成4.7.22 東京地裁】