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離婚届不受理申立とは

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先日、妻からいきなり離婚話を切り出されましたが、私は今のところ離婚に応じるつもりはありません。なぜ離婚をしたいのか、お互いゆっくり話し合いたいと思っているのですが、妻のことです。私に内緒で勝手に離婚届を出してしまわないか心配でなりません。何かよい方法はありませんか?
法律によって協議離婚が認められている日本では、簡単に離婚することができます。

離婚届を作成し、所定の市区町村役場に提出・受理されることで法律上の婚姻関係は解消されるため、手続き上は非常に簡素な制度になっています。

ところが、特に煩雑な手続きを必要としない制度であるがゆえに起こりうるトラブルもあります。

たとえば、突発的な夫婦喧嘩の勢いで離婚話が浮上し、思わず離婚届にサインをして相手に渡してしまった、あるいは、自分は離婚するつもりなど毛頭ないが、相手が離婚したがっている…といった場合です。

つまり、離婚を成立させるための手続きが簡単であることから、相手方配偶者に無断で離婚届を提出されてしまう危険があるということです。

もちろん、法律上の婚姻関係を解消するには、離婚届の受理の他、提出時に当事者(夫と妻)の「離婚をする」という意思がなければなりません。

つまり、相手方配偶者に離婚する意思がないことを知っていながら(知っていなくとも、一方に離婚する意思がないのであれば同じ)、勝手に離婚届を提出することは許されず、またその離婚も無効となりますが、受理する側も相手の心の中まで読み取ることは出来ませんので、形式上、受理されてしまい、無効を主張するにしても何かと面倒です。

そこで、妻に勝手に離婚届を出されてしまうような恐れがある場合には、役所に「離婚届不受理申出」を行ってください。
用紙のダウンロード先はこちら 矢印 離婚届不受理申立書(PDF形式)
離婚届不受理申出を行うと、仮に本人に内緒で相手方配偶者が勝手に離婚届を提出しても、役所に受理してもらえません。

※ 離婚届不受理申出書を提出した後に離婚届を提出する場合は、申出取下書を提出してからでなければ受理されません。

不受理申立書イメージ不受理申出書の効力には期限(6ヶ月)がありますが、再度、申出を行えば、また新たに効力が発生します。

離婚届不受理申出に必要な用紙は市区町村役場に備え付けてありますので、必要事項を記入し、署名・押印した上、夫婦の本籍地(あるいは所在地(←住民票のあるなしは問いません。本籍地以外の場所で申立書を提出した場合には本籍地に連絡がいきます))にある役所に提出してください。

ちなみに、妻があなたに無断で離婚届を作成し提出した場合、法律の上では公正証書原本不実記載罪(刑法第157条)や、私文書偽造罪(刑法第159条)といった刑法に該当します。




離婚後の姓

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何かと不便なので、離婚後も夫の姓を名乗りたいのですが、可能でしょうか?
現在、法律によって夫婦別姓が認められていない日本においては、婚姻によって、配偶者は夫(あるいは妻)の姓を名乗らなければなりませんが、姓を改めた配偶者は離婚により婚姻前の姓に戻る(復氏)のが原則です。

※ 女性の社会進出などに伴い、近年は夫婦別姓に関する議論が盛んに行われていますが、現在のところ、法改正するまでには至っていません。
夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。

【民法 第750条 夫婦の氏】
しかし、原則あるところに例外あり!です。

民法には、次のような規定があります。
① 婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。

② 前項の規定によって婚姻前の氏に復した夫又は妻は、離婚の日から3ヶ月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができる。

【民法 第767条 離婚による復氏等】
つまり、婚姻によって姓を改めた配偶者は、所定の手続きさえ行えば、旧姓を名乗ることも離婚の際の姓を名乗ることも自由に選択することができるというわけです。

もちろん、夫の承諾は必要ありません。

ただし、離婚後も婚姻中の姓を名乗りたい者は、離婚成立後、3ヶ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届出」を作成し、市区町村役場に提出しなければなりませんので、復氏するつもりがないのであれば、離婚届に添付した形で提出するとよいでしょう。

なお、3ヶ月経過後であっても氏の変更手続きをすることは可能ですが、その場合は、家庭裁判所の「氏変更許可の審判」の申立てを行い裁判所の許可を得なければなりません。

ただし、家庭裁判所は「やむを得ない事情」がある場合にのみ「氏の変更」を認めるようなので、子供のことを考えると婚姻中の姓を名乗る方が何かと都合が良いなどの理由が必要になってきます。

そのため、必ずしも氏の変更が認められるとは限らないので、特別な理由を必要としない期限内に届出をしてしまった方が賢明です。

ちなみに、子供の姓は両親が離婚をしたからといって、当然に変更するわけではありません。

そのため、子供の姓を変更したい場合は、家庭裁判所に子の氏変更許可の申立てを行うことになります。

※ 子の氏変更許可の申立については、子の法定代理人(つまり親権者)が行うことになります。ただし、子の年齢が15歳に達すると、夫(あるいは妻)の姓を子自ら自由に選択することができます。