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セックスレスと離婚

離婚の悩み相談
セックスに応じない妻との離婚はできますか?
裁判所は、夫婦の性生活が婚姻の基本となるべき重要な要素であると認めているため、夫婦が共に健康で、特に性交渉を拒否する理由も見当たらないのに、妻が長期間にわたって一方的に性交渉を拒絶することは、婚姻関係の基本ともいえる要素を欠くべき行為と言えます。

ただし、性行為が円満な婚姻関係を築いていく上で必要な要素であるとはいえ、結婚生活とは夫婦の愛情と信頼関係によって維持されるべきものであることから、単に「妻がセックスに応じないから・・・」といった理由だけで離婚が認められることはないでしょう。

また、新婚当初ならまだしも、長年連れ添ったある程度年老いた夫婦である場合には、性交渉そのものが、直接の離婚原因として取り上げられることは難しいと思われます。

性の不満、特に配偶者が性交渉を拒絶するようなセックスレスが、離婚訴訟の焦点となる場合には、性交渉の拒否によって夫婦関係が悪化し、婚姻生活が破綻したといえるような理由がなければ離婚原因としては弱く、裁判所から棄却されることも十分に考えられます。

ただし、過去の判例では、性交渉を拒絶した配偶者に対し離婚を求めた裁判において、裁判所が離婚請求を認めたケースも中にはあります。
配偶者の性的不満が問題となった判例
共に再婚者同士の夫婦で、妻が男性から体を触れられることを極度に嫌がり、夫との性交渉を頑なに拒否し続けたため、夫婦関係がうまくいかなくなり婚姻生活が悪化したケース(この判例では、妻の性交拒否が不法行為に当たるとして夫からの慰謝料請求(150万円)も認めています。)

【平成3.3.29 岡山地裁津山支部】
夫がポルノ雑誌やアダルトビデオにしか興味がなく、自慰行為に耽り、妻との性交渉に応じようとせず妻が離婚請求を求めたケース

【昭和60.9.10 浦和地裁】
結婚当初は正常な性交渉があったが、次第に夫が妻との性交渉を拒否し、同性愛に走ったケース

【昭和47.2.29 名古屋地裁】
夫婦間における性的不満は、その性質上、表に出にくい問題ではありますが、単なる性的不満によるものではなく、性交渉を拒絶し続けられた結果、夫婦関係が悪化し破綻した場合に離婚請求が認められやすくなっているようです。

ちなみに、夫が性交不能(インポテンツ)であることを自ら知りながら、そのことを女性(妻)に告げなかった結果、婚姻後、妻から離婚請求が行われたケースでは、離婚と慰謝料(200万円)を認めた判例【昭和62.5.12 京都地裁】があります。




異常な性行為と離婚

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毎夜、異常な性行為を強要する夫に我慢ができません。このような理由は離婚原因になりますか?
明確な定義があるわけではないため、何が正常で何が異常な行為であるのかは一概に判断することはできません。

また、お互いに愛し合った結果、愛情表現のひとつとして性交渉に及ぶ以上、その行為について、他人がとやかく口を挟むべき問題ではないことから、非常に難しい問題です。

ただし、一方が望んでいない態様や頻度で性交渉が繰り返し行われているとしたら、それはそれで問題かもしれません。

セックスレスイメージ少し古い判例になりますが、過去に性交渉の途中で、夫が妻に靴を履かせたまま行為におよんだケース【昭和37.2.6 最高裁】では、こうした行為が〝婚姻を継続し難い重大な事由〟に当たるとして妻からの離婚請求を認容しています。

夫婦の性に関する問題は、円満な婚姻関係を築いていく上で欠かせない要素のひとつである以上、性的不満がもとで、婚姻関係が復元できないような状態、つまり、破綻をきたしている場合には離婚請求が認められる余地もありそうです。