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離婚裁判を検討する上で必要なこととは…?

協議離婚による話し合いではまとまらず、家庭裁判所の離婚調停でも、双方の意見は平行線のまま決着が付かない・・・

それでもやっぱり離婚がしたい!というあなたの気持ちと覚悟に変わりがないなら、離婚するための最後の手段〝離婚裁判〟を起こさなければなりません。

この離婚裁判で離婚を認める判決が得られれば、相手がどんなに頑なに離婚に応じなくとも、強制的に婚姻関係を解消させることができます。

ただし、離婚裁判で得られる判決には強い効力が働くため、協議離婚や調停離婚とは異なり、民法で定められている〝離婚原因〟が必要となってきます。

裁判所は訴えの申立てに離婚原因がなく、婚姻関係を継続した方が適切だと判断した場合には、離婚の訴えを退けることもできるので、中途半端な気持ちで離婚裁判に臨んでも勝ち目はないでしょう。

また、離婚裁判では一審で敗れても、相手が不服とあらば、二審(高等裁)、三審(最高裁)と、長期化する恐れもあるため、弁護士費用等の金銭的な負担はもとより、精神的な負担にも耐えながら法廷で争い続けなければならないので慎重に検討する必要があります。

そこで、離婚裁判を行う上で最低限身につけておきたい基礎知識を押えるとともに、自分にとって裁判を行うことが、本当に賢い選択であるのかどうかについて、もう一度じっくり考えてみましょう。




離婚裁判に必要な5つの離婚原因と、その詳細について

相手の「離婚はしない!」という反対を押し切って、強制的に婚姻関係を解消する強い効力をもった判決を得るには、それ相応の理由が必要になってきます。

そこで、離婚裁判を起こす上で、まず最初に確認しなければならないことは、民法で定めた〝離婚理由〟があるかどうかです。

したがって、この離婚理由がないとすると、裁判による離婚は認められないことになります。

つまり、離婚裁判では、民法で定められた5つの離婚理由がとても重要な鍵を握っているということです。
民放が掲げる5つの離婚理由
1.不貞行為
2.悪意の遺棄
3.3年以上の生死不明
4.強度の精神病であり、かつ回復の見込みがない
5.婚姻を継続しがたい重大な事由がある
不貞行為
不貞行為を解りやすく別の言葉で置き換えると〝浮気〟ということになります。

ただし、離婚裁判で問題となる不貞行為とは、配偶者以外の者と肉体的な性的関係をもったかどうかにかかってくるので、単に知り合いの異性と食事をした、映画を見たといった程度の関係であると不貞行為とは見なされません。

また、離婚が争点となっている不貞行為とは、ある程度、継続的な関係が続いている状態を意味するため、一度きりの浮気では不貞行為を働いた者が深く反省をしている場合、離婚が認められないケースも少なくないようです。
悪意の遺棄
夫婦には、共に生活し協力しなければならない「同居・協力義務」というものがありますが、その義務をどちらか一方が放棄した行為が〝遺棄〟に当たります。

〝悪意の遺棄〟という専門用語を用いると難解ですが、要は「そうなること(配偶者が経済的にも精神的にも困るであろう状態)を自ら知って(分かって)いながら放っておく」ことであり、具体的には、下記に挙げるような行為が行われた場合に〝悪意の遺棄〟に当たるとされています。
イ.生活費(給料などの収入)を渡さない
ロ.虐待・暴力行為を行う
ハ.正当な理由もなく、何日も家に帰らない
ニ.何の支障もないにもかかわらず働こうとしない …他
3年以上の生死不明
この場合の〝生死不明〟とは、生きているのか、それとも死んでいるのか分からない状態が3年以上続いていることを意味します。

つまり、たまに電話等で連絡はあるけど所在が分からない・・・といったような状態にある場合には、生きていることは確かなので生死不明とはいえません。

裁判所は、この「強度の精神病を患い、回復の見込みがない」という民法に定められた離婚理由を、かなり厳しく捉えているようです。

つまり、配偶者が単に精神病院に入院したからといって、その理由をもって、即離婚が認められることはありません。
強度の精神病で、かつ、回復の見込みがない
医師の判断はもとより、たとえ精神病であると診断されても、後に回復の見込みがあるかどうかは、ある程度の治療期間をおかなければ医師にも判断することはできません。

また、精神病を患った配偶者の離婚後の療養や経済的配慮がなされなければ、離婚は認めるべきでないとの判例も多く、精神病を理由に離婚を認めてもらうためには、それ相応の理由が必要になってくると理解しておいてください。
婚姻を継続しがたい重大な事由がある
婚姻を継続しがたい重大な事由とは、とても抽象的な表現ですが、これまで他人であった男女が共に夫婦生活を続けていると、日々の生活の中で様々な問題や障害に直面し、その小さな衝突が積み重なった結果、やがて愛情が冷め、婚姻生活を続けていくことが苦痛になってしまうことも十分考えられます。

夫婦関係が冷え切り、破綻してしまった状態の男女を、いつまでも縛り付けておくことが正しい関係であるとは言えないため、民法では、このような抽象的な表現を用いて様々なケースに柔軟に対応しています。

ただし、どんな些細なことでも離婚が認められるわけではなく、夫婦関係が破綻している状態が長期間に及んでいる場合に、はじめて離婚が認められると理解しておきましょう。

なお、参考までに婚姻を継続しがたい重大な事由の例を示すと、主に下記に挙げるようなものが考えられます。
イ.性格の不一致
ロ.配偶者からの暴力・虐待
ハ.性の不一致・性交渉の拒否
ニ.ギャンブルによる生活費の浪費
ホ.両親・親族等の不仲による家庭の悪化
ヘ.育児の放棄 …他



本人訴訟は難しい !?

離婚裁判を行う人は、離婚全体の約1%です。

「何が何でも離婚をしたい!」という方は、訴訟を行わなければなりませんが、離婚裁判は気軽に利用できる離婚調停とは全く異なります。

民法で定められた離婚理由が条件であることはもちろんのこと、離婚をしたいと望む申立人本人が、その離婚原因を証明しなければならないので、専門的な法知識も必要になってきます。

本人訴訟も不可能ではありませんが、訴訟に必要な書面の作成や手続きの煩雑さを含め、総合的に考慮しても、離婚裁判に関しては、やはり弁護士等の専門家に依頼するのが賢明かと思われます。

そこで、まずは手始めに市区町村や各弁護士会が行っている定期的な無料法律相談会等を利用するなどして、専門化の意見やアドバイスを受けると良いかもしれません。

また、もし訴訟費用や弁護士報酬といった支払いに回す経済的余裕がないという方は、一定の条件(資力が乏しいこと、勝訴の見込みがあること、法律扶助の趣旨に適すること)はあるものの、日本司法支援センターの方で費用の立替を行ってくれるので、一度、相談してみてはいかがでしょうか。