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一問一答:離婚原因編

離婚原因Q&A(6)entrance

Q11:性格の不一致は離婚理由になると聞いたことがありますが、本当ですか?

日本では、協議離婚が認められています。

夫婦の話し合いにより、双方の合意が得られれば、いつでも自由に離婚することが認められているため、離婚理由は特に必要としません。

よって、夫婦が協議の上、離婚することを決めたのであれば、ご質問にある性格の不一致を原因とする離婚も可能です。

しかし、夫婦のどちらか一方が離婚することに応じない場合には話しが変わってきます。

協議離婚が成立しない場合、調停前置主義を採る我が国においては、裁判を行う前に、まずは家庭裁判所の離婚調停を経なければなりませんが、調停を申立てる者の動機は、男女共に圧倒的に性格の不一致を理由に挙げていることが、下記表からも見てとれるかと思います。調停等を申立てた夫婦別にみる動機

1位 正確の不一致 61.3%
2位 異性関係 19.3%
3位 家族・親族との不和 17.6%
10位 暴力 5.8%
1位 性格の不一致 43.1%
2位 暴力 29.6%
3位 異性関係 27.3%
4位 精神的虐待 25.9%
5位 生活費を渡さない 24.6%

※ 全国家裁 離婚調停等関係事件【平成15年】より

性格の不一致を理由とする離婚調停の申立ては、他の理由を寄せ付けないほど圧倒的に多く、この順位については10年以上も前から、依然、変動はありません。
性格の不一致イメージ
しかし、性格の不一致を理由とする離婚希望者がこれだけ大勢いたとしても、夫婦のどちらか一方が離婚することに強い抵抗を示した場合、強制力のない協議離婚や離婚調停によって離婚することはできません。

協議離婚や調停離婚が成立しない場合には、最後の手段として、裁判離婚が残されていますが、裁判離婚を行うには、民法で定めた(770条)次のような離婚理由が必要になってきます。

@:不貞行為(肉体関係をもった浮気)

A:悪意の遺棄(生活費を一切渡さないなど家庭を顧みない行為等)

B:3年以上の生死不明(生きているのか死んでいるのか分からない状態)

C:強度の精神病であり、かつ回復の見込みがない

D:婚姻を継続しがたい重大な事由がある(暴力・性交不能・性格の不一致など)

離婚訴訟を行う場合、問題の性格の不一致は、Dの婚姻を継続し難い重大な事由に該当すると考えられますが、単に「相手と性格が合わないから…」という理由だけで、離婚を勝ち取るのは極めて難しいと考えられます。

かつて、性格の不一致を理由とした離婚請求を認めた稀な判例もありますが、相手方配偶者が離婚に強く反対している場合には、性格の不一致により婚姻関係が破綻し、もはや修復することは困難であることを強く主張するだけでなく、性格の不一致以外の離婚理由が必要になってくると理解しておいた方がよさそうです。

妻が夫に対する愛情を失っていないとしても、夫が離婚訴訟を起こした当時において、既に正常な婚姻生活を回復することが困難なほど破綻していると言わざるをえず、様々な事情を相互的に考慮すると、夫婦の生活観・人生観の隔絶があったものとして、夫からの離婚請求を認めた。

【昭和54.6.21 東京高裁】