本文へスキップ

一問一答:離婚原因編

離婚原因Q&A(8)entrance

Q13:夫の借金を理由に離婚することは出来ますか?

日本では、当事者(夫婦)の話し合いのもと、婚姻関係を解消することができる協議離婚≠ェ認められています。

この協議離婚については、双方の「離婚したい!」という共通の意思さえあれば、特に離婚理由などは必要としませんので、夫の借金≠理由とした離婚も可能です。

ただし、夫が離婚することに反対している場合、つまり、協議離婚では話しがまとまらないケースだと事情が少し変わってきます。

協議離婚で話しがまとまらない場合、日本では調停前置主義をとっていることから、家庭裁判所の調停(あるいは審判)を経なければなりません。

この調停離婚においても、特に離婚理由を制限しているわけではありませんので、借金を理由とする申立ても可能ですが、離婚調停は調停委員という第三者を交えた、あくまで話し合いでの解決を目的とした場であるため強制力がありません。

したがって、頑なに夫が離婚することを拒み続けた場合、最終的には法廷で白黒つけることになりますが、裁判離婚となると民法で定めた離婚理由が必要になってきます。

つまり、裁判所に離婚を認めてもらうためには、下記に示すような離婚原因を理由とする申立てでなければならないということです。
法定離婚原因

1.不貞行為(肉体関係をもった浮気)
2.悪意の遺棄(生活費を一切渡さないなど家庭を顧みない行為等)
3.3年以上の生死不明(生きているのか死んでいるのか分からない状態)
4.強度の精神病であり、かつ回復の見込みがない
5.婚姻を継続しがたい重大な事由がある(暴力・性交不能・性格の不一致など)

夫の借金を理由とする場合は、通常婚姻を継続しがたい重大な事由≠ノ該当するとして離婚訴訟に望みますが、実務上、単に「夫に借金があるから」といった理由では重大な事由≠ノは当たらないとして離婚は認められません。

過去の判例においても、配偶者の借金を理由に離婚を認めたケースとは、借金をキッカケとする夫婦生活の破綻が大きな判断材料になっているようです。

したがって、夫が多大な借金を抱え自己破産をしたとしても、それだけで当然に離婚が認められるわけではありません。

具体的には、妻の制止も聞かずに借金を何度も繰り返し浪費し、毎日、厳しい取立てに遭い平穏な生活が送れない・・・あるいは、借金だけでなく生活費も一切入れようとせず、家庭を顧みないで、毎日、ギャンブルに高じている・・・といった場合が考えられます。

婚姻を継続し難い重大な事由≠ニは、あまりにも抽象的な表現なので、借金を理由とした離婚が認められるかどうかはケース・バイ・ケースですが、単なる「夫の借金」を理由とする裁判離婚は認められないと考えられます。

つまり、裁判離婚では、借金の有無よりも夫婦生活の破綻≠ェ重要な意味を持ってくるということです。